HMS インダストリアルネットワークスから、今年もグローバルな 産業オートメーション市場における新規設置ノード数に焦点を置いた産業用ネットワーク市場の分析結果をご紹介いたします。産業用通信や IoT 向けの製品・サービスを提供する独立系サプライヤーとして、HMS は産業用ネットワーク市場の実態をベースとした多くの情報・見識を持ち合わせています。ここでは、HMS が認識している 2018 年の産業用通信の動向予測と過去 5 年間の推移を振り返ります。
産業用 Ethernet は何年にもわたり従来のフィールドバスよりも速いスピードで成長してきており、その結果ついにフィールドバスのシェアを上回りました。昨年の 46% に対し、産業用 Ethernet は 22% の成長率で現在のグローバル市場の 52% を占めるまでになりました。 その中でもEtherNet/IP が市場の 15% を占め、最も大きなシェアを持つネットワークとなりました。 Ethernet ベースのネットワークでは、PROFINET、EtherCAT、Modbus-TCP、Ethernet POWERLINK が続いています。
CMO (Cheif Marketing Officer) Anders Hansson は、「当社は長年にわたり産業用 Ethernet の推移を見てきましたが、新規設置ノード数において今回初めてフィールドバスを上回りました。産業用 Ethernet への移行は、高性能に対するニーズ、工場設備や IT/IoT システム間の統合、そして全体的には産業用 IoT の高まりに後押しされています。」と見解を述べています。
フィールドバスは健闘しているものの、減少の見込み 特定の業界の後押しや産業界におけるサイバーセキュリティの懸念もあり、フィールドバスも成長は続けています。しかしながら、現状6% の成長率(昨年 4%)であり、フィールドバスの導入数は今後数年で徐々に減少していくと見られます。大きなシェアを占めるフィールドバスは依然として PROFIBUS で世界市場の 12%、Modbus-RTU と CC-Link がそれぞれ 6% で続いています。
ネットワーク勢力図を塗り替えるワイヤレス技術 ワイヤレス技術もまた成長率 32% という急速なペースで拡大しており、現在、市場全体の6%に達しています。ワイヤレス技術の中では WLAN が最も普及しており、その後を Bluetooth が追っています。 「ワイヤレス技術は革新的なオートメーションアーキテクチャの実現のために機械メーカーやシステムインテグレーターにより導入が進んでいます。ユーザーは、ケーブル配線を減らし、タブレットやスマートフォンの BYOD(私有デバイスの活用)など、接続と制御の新たなソリューション構築を実現しています。」
欧州や中東では、PROFINET と EtherNet/IP がリードしており、PROFIBUS もまだ広く使われています。他にもEtherCAT、Modbus-TCP、Ethernet POWERLINK がよく使われています。
米国市場では CIP ネットワークが支配的であり、 EtherNet/IP への移行が明確となっています。アジアでは、市場をリードするような突出したネットワークがないものの、PROFINET、EtherNet/IP、PROFIBUS、EtherCAT、Modbus そして CC-Link が広く使われており、Ethernet 系の CC-Link IE Field が勢いを増しています。
今年は市場分析を行う中で、その市場規模を着実に伸ばしている産業用ネットワークの過去 5 年を振り返りました。まず、HMS としては、 2017 年に市場シェアの面でついに産業用 Ethernet がフィールドバスを上回ったという結論に至りました。「産業用ネットワークの普及は、過去 5 年で着実に進んできました。産業用 Ethernet が市場の 52% を占め、ついにフィールドバスを追い抜いたというのは興味深く、 Ethernet/IP が市場をリードするネットワークとなりました。それでもやはり、この統計からもわかるように、ネットワーク市場は依然として細分化されたままであり、ユーザーはアプリケーションによってさまざまなネットワークへの接続性を求めていることがわかります。産業用 IoT や Industry 4.0 に後押しされる形で、この先、産業機器がますますネットワーク接続されていくことは明らかです。当社では、"Connecting Devices" (あらゆるデバイスを接続)を理念に、こうしたトレンドと共に成長してまいります。」
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